木嶋佳苗被告
2009年に首都圏で起きた男性3人の連続不審死事件で殺人罪などに問われ、一、二審で死刑判決を受けた木嶋(現姓・土井)佳苗被告(42)の上告審判決で、最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)は14日、被告の上告を棄却した。死刑が確定する。
一、二審判決によると、被告は09年1~8月、婚活サイトなどで知り合った東京都青梅市の会社員男性(当時53)、千葉県野田市の無職男性(同80)、埼玉県富士見市の会社員男性(同41)を、いずれも睡眠薬などで眠らせたうえで練炭を燃やし、一酸化炭素中毒などで殺害した。
被告は詐欺や窃盗罪などを含め計10件起訴されたが、詐欺罪に問われた2件以外は無罪を主張。被告が殺害したことを裏付ける直接的な証拠が乏しい中、12年の一審・さいたま地裁の裁判員裁判は、10件全ての罪を有罪と認め、死刑判決を言い渡した。14年の二審・東京高裁も支持した。
今年2月に最高裁が開いた弁論で、弁護側は「男性らが自殺した可能性があり、被告が殺人の犯人だとする立証は不十分だ」と訴えていた。
被告は逮捕前、自らのブログを「かなえキッチン」と名付け、手料理のレシピなどを紹介していた。拘置中も、協力者の助けを受けて別のブログを開き、託した手紙などを掲載。裁判中に結婚し、現在は土井姓になっている。(千葉雄高)