(21日、ソフトバンク4―3楽天)
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延長十二回1死満塁。今季チーム最長の4時間50分に及んだ試合に決着をつける大飛球が飛んでいく。
ソフトバンクのデスパイネが「前に打とうという気持ちだった」と打席に入ると、127キロの低めの球をすくい上げた。高々と上がった打球は中堅手のグラブに収まったが、タッチアップした三塁走者の上林が悠々と本塁に生還。今季初のサヨナラ勝ちを収めた。
六回に3点差を追いついたが、その後は九回2死満塁で勝ち越せないなど重苦しい展開だった。ただ工藤監督が「リリーフ陣が頑張った」と話した通り、2番手以降の投手たちが六回途中から無失点で踏ん張り続けたのが大きかった。
破竹の強さを見せた昨季の序盤と違い、今季は試合を決めきる力が足りない。チーム打率はリーグ4位の2割5分1厘と迫力を欠く。この試合も今季初めて吉村を先発起用するなど顔ぶれを変えて臨んだが、大きな改善は見られない。七回1死二塁では二塁走者の福田が飛び出して盗塁死。ちぐはぐな攻撃も目につく。決してチーム状態はいいとは言えない。
それでもけが人も多いなか、今季初の4連勝。十二回のマウンドに立った五十嵐は言う。「こういう試合をものにしたことで流れに乗っていける」。接戦を制することが、団結力を高める上でも、今のチームにとってなにより大切。そんなことを示した、この夜の勝利だった。(堤之剛)
○工藤監督(ソ) 「中継ぎ陣がゼロに抑えてくれて、最後のサヨナラにつながった。頑張ったと思う。もうちょっと打線がというところだが、六回のようなああいうイニングを少しでも増やしていけたら。先制されるときつくなるので、先制を許されないような試合運びがもっとできたらいい」
○五十嵐(ソ) 「試合の流れからしてどちらが勝ってもおかしくなかった。中継ぎにも自信になる」
○内川(ソ) 六回に反撃の2点適時打。「みんながつないでくれたチャンスだったので、なんとしてもかえしたかった」
○松田(ソ) 六回に同点適時打を放つ。「いい流れに乗れた。とにかく追いついて良かった」