ガッツポーズする井岡(右)とノクノイ
プロボクシングの世界戦2試合が23日、エディオンアリーナ大阪である。世界ボクシング協会(WBA)フライ級王者の井岡一翔(かずと)(28)=井岡=が勝てば5度目の防衛で世界戦通算14勝目となり、具志堅用高さんの日本最多記録に並ぶ。世界ボクシング機構(WBO)バンタム級6位の大森将平(24)=ウォズ=は初めて世界に挑む。
ノクノイ・シットプラサート(タイ)の挑戦を受ける井岡は、「打って打たせないボクシングをする」と公言する。昨年末、前回の防衛戦はTKO勝ちだったが、ダウンを喫した。「いまは世界チャンピオンも多い。その中で僕の評価を固めたい」。3階級王者に求められるのは完璧な内容でのKO勝利と自認する。
前回のダウンは距離の取り方を見誤ったと反省。61連勝中で、30歳にして世界初挑戦のノクノイはリズムよく、手数の多い技巧派だ。「手が届く場所では止まらないようにしたい」と井岡。足を巧みに使いながら、相手の右を外したい。さらにボディー打ちでダメージを与えつつロープ際に追い込めば、完璧なKO防衛はぐっと近づく。
大森は仕切り直しの一戦で、天敵のマーロン・タパレス(フィリピン)と拳を交える。昨年12月に決まっていた国際ボクシング連盟(IBF)のタイトル戦が相手のけがで中止。同じサウスポーのタパレスとは2015年12月に対戦し、2回TKOで敗れた。これがプロ唯一の黒星だ。
あれから大森は3連続KO勝ち。「ディフェンスを磨いて、タパレスへの恐怖心もなくなりました」。リーチで9・5センチ上回るが、速さはタパレスが上。中盤まで切り抜け、自慢のスタミナが生きる展開にしたい。「僕にとって最高のリベンジマッチ。必ず、京都のジムから最初の世界チャンピオンになります」。大森は、そう誓っている。