フィギュアスケートで活躍した名古屋市出身の村上佳菜子選手(22)が23日、引退を表明した。高校、大学の先輩だった浅田真央さん(26)に続く決断に、ゆかりの人たちはねぎらいとエールの言葉を贈った。
フィギュア村上佳菜子が引退表明 プロスケーター転向へ
フィギュア特集Kiss and Cry
村上選手が通った中京大中京高(名古屋市)のスケート部顧問、渡辺伸雄さん(63)は「屈託なく、みんなから好かれるスケーターだった。大学を卒業し、社会に出るタイミングで区切りをつけたのでは」と推しはかる。浅田さんと同時期の引退に「時代の変わり目が来たと感じる」と感慨深そうに話した。村上選手はスケートの指導者になりたいと話していたといい、「今までの経験を新しい道でも生かして」と激励した。
村上選手のスケート靴を調整してきた「小杉スケート」(大阪市)の本店長、田山裕士さん(57)は「けがに苦しみながら、よくここまで滑りきった」とねぎらった。1カ月ほど前、アイスショー用のスケート靴を調整してほしいと村上選手が来店。田山さんが今後について尋ねると、「今季で引退しようと思っている」と、いつも通りサバサバした様子で答えたという。「明るさが彼女の魅力。これからはアイスショーなどで楽しませてほしい」と期待を寄せた。
村上選手は3歳からスケートを始めた。2014年のソチ五輪に浅田さん、鈴木明子さん(32)らと出場して12位に入ったほか、世界選手権にも5度出場するなど日本女子のトップクラスの選手として多くの人を魅了した。(浦島千佳)
■村上佳菜子選手の歩み
1994年 11月7日、愛知県生まれ
2009年 ジュニアグランプリファイナルで優勝
2010年 世界ジュニア選手権で優勝
グランプリ(GP)シリーズNHK杯でシニアの国際大会デビュー
GPシリーズ、スケートアメリカで優勝
GPファイナルに初出場し、銅メダル
2011年 世界選手権に初出場し、8位
2013年 全日本選手権で2位
2014年 四大陸選手権で優勝
ソチ五輪に浅田真央さん、鈴木明子さんと出場し、12位
2016年 全日本選手権で8位