大学生の陳さんは、新型コロナウイルス肺炎による影響でやって来た長い長い休みに、Q&Aサイトの知乎に文章を発表して、一か月で4万元(1元は15.2円)あまりを受け取り、有料コンテンツで自分史上最高の収益分配を達成するとは思いもしなかったという。「北京日報」が伝えた。
突然やってきた新型肺炎により市民は外に出られなくなり、多くのオフライン実店舗が大きな打撃を受けた。家にこもった人々はオンラインに目を向けざるを得なくなり、こうしてさまざまなオンライン経済が爆発的に成長し、その中には有料コンテンツも含まれていた。陳さんはサイトの作者として、こうした動向の中で「有料コンテンツの春が来た」と感じている。
ネットで文筆活動をして家で暇つぶし
大学在学中の陳さんの創作活動は読書エッセイからスタートした。「自分には本を読む時の習慣があって、読み終わるといつも読書エッセイや感想文を書いていた。こうしないと読んだ本の内容を忘れてしまうからだ」という。2年前に『論語』を再読した時にも、1編読み終わるごとにエッセイを書いた。陳さんの筆にかかると、厳粛で堅苦しい歴史が生き生きとしたものに変わる。孔子は親しみやすいおじいさんになり、弟子の顔回は「物静かなイケメン」になる……
「エッセイを書いた後、書きっぱなしにしておくより、ネットに発表した方がいい、そうすればたくさんの人と議論できると思った」。陳さんがエッセイをネットに発表すると、軽妙でユーモラスな筆致が瞬く間に注目を集め、本にしませんかと連絡してくる出版社もあった。こうして陳さんはネットでの文筆活動をスタートした。
陳さんの文章には独特な味わいがあり、知乎で一定の読者を獲得し、知乎の会員向けコラムの作家にもなった。今年2月、感染状況により陳さんは冬休みを西安市の実家で過ごすしかなかった。「学校は再開が延期され、ほとんど外に出られなかったので、創作活動がひきこもり生活の暇つぶしになった」という。
しかし家にいる時間が長くなり、陳さんも他の人と同じようにいらいらしたり、つまらないと感じたり、ひらめきがなくなったりした。陳さんは、「いいものが書けなくなった。約束していた原稿もいくつか辞退してしまった」とやるせない表情で振り返った。
家にこもってますます何も書けなくなったと感じていた陳さんだが、2月の知乎の有料コンテンツでの収益分配を見てびっくりした。「4万元以上で、自分のネット文筆活動で収入が最も多い月になった。きっと誰もが家にいて退屈しきっていたからだろう」という。
陳さんはこれから専業の作家としてネットで創作活動を続けるかどうか、まだ決めかねている。大学で学んでいるのは経済系の専門で、文学とは関係がない。将来については、「今後の創作活動は兼業になるだろう。やっぱりまだ収入がそれほど安定していないから」と話した。