プレゼント用にイチロー選手から預かったバットをステージで披露する石川さゆりさん(左)=2月11日、熊本県水俣市
「生けるレジェンド」のバットはどこへ――。歌手の石川さゆりさん(59)が2月にあった熊本県水俣市でのコンサートで、水俣病の胎児性患者たちに、大リーグのイチロー選手から託されたバットをプレゼントした。メジャー級のサプライズを受け、どこに保管・展示するのがいいか、2カ月以上たった今も結論が出ていない。
石川さゆりさん「水俣病終わってない」 38年続く交流
石川さんの水俣でのコンサートは2度目。1度目は1978年、成人した胎児性患者たちが企画した。今回は患者たちの多くが還暦を迎えたのを機に、再び石川さんを招いた。
昼のステージで、患者の永本賢二さん(58)らが花束を贈呈した際、お返しの形で石川さんがイチロー選手のバットを取り出した。練習で使っていたという黒塗りのもので、サイン入り。ボールを狂いなくとらえ続けた真芯の1点だけが白くなっており、打棒のすごみを物語る。
イチロー選手が以前、石川さんの「天城越え」を登場曲に選んで使っていたことから、石川さんとかねて親交があった。今年に入って、オフで帰国したイチロー選手と会った石川さんは、再び水俣のステージに立つことを伝え、「一言頂くとかサインとか、何か協力して下さらない?」と尋ねた。すると、イチロー選手は「僕がメッセージを寄せるよりも」とバットを贈ることを約束し、2月に石川さんの元に届いたという。
バットをステージで受け取った…