JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島(しきしま)」の一番列車が1日午前11時40分、多くの鉄道ファンらに見送られながら上野駅13番ホームから発車した。一番列車は東北や北海道などを周遊する3泊4日の旅で、乗客は途中駅で下車して周辺観光も楽しむ。地域おこしのきっかけとしても期待されている。
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絶景の展望車・ひのき風呂…豪華寝台「四季島」に試乗
午前11時すぎ、最高76倍の抽選を通った34人が、ホームに新設された専用エントランスを通って乗車した。乗車前には列車をバックに記念撮影する姿も見られた。2人利用で1人90万円の「デラックススイート」に夫婦で滞在する東京都の速見哲さん(65)は「1年前にサラリーマン生活を終えた記念です。ひのき風呂が楽しみです」。妻の久子さん(61)も「本当にわくわくしています」と話した。
記念式典ではJR東の冨田哲郎社長が「新しい鉄道の歴史が始まる。地域に勇気と元気を届けたい」とあいさつ。車両デザインを担当した工業デザイナーの奥山清行氏や、多数の映画音楽を手がけ四季島のテーマ曲を作った作曲家の佐藤直紀氏らも出席した。
四季島は甲信越地方などを回る1泊2日、東北地方を走る2泊3日のコースもあるが、今年度運行分はすでに満席。JR東は来年4月以降の分について近く概要を発表する予定だ。
豪華寝台列車はJR九州の「ななつ星in九州」が2013年5月から運行。西日本も6月に「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の運行を始める。(宮山大樹)