タイガースとマイナー契約し、再スタートを切った田沢純一
大リーグのマーリンズを自由契約となり、タイガースとマイナー契約を結んだ田沢純一投手(32)が、傘下の3Aトレドに合流する。18日に選手登録された。今月上旬からフロリダ州レークランドにある球団施設で調整していたが、近く3Aで実戦復帰し、今季中の大リーグ昇格を目指す。
すでに日差しが強くなっていた6月上旬。米フロリダ州にあるタイガースの春季キャンプ施設に、「Tigers」の文字が胸に入ったTシャツ姿の田沢はいた。豪華な施設だが、練習しているのは若手が大半。午前8時開始とあって、観客もいない。ランニング、キャッチボールを淡々とこなすとブルペンへ。変化球もまじえ、捕手を座らせて30球ほど投げ込んだ。
渡米10年目を迎えた田沢は今季、マーリンズでは22試合に登板し1勝1敗、防御率9・00。開幕から3試合を無失点に抑えたが、4月中旬から失点を重ねる場面が増え、5月中旬に戦力外とされた。
「クビになって正直悔しい。でもあれだけ結果が良くなかったので、覚悟はしていた」。退団して冷静に自分を見つめ直してみると、投球フォームが安定せず、捕手との話し合いもかみ合っていなかった。
自身3球団目はデトロイトが本拠のタイガースだ。「最初にオファーをもらい、一番親身になって考えてくれた」。チームは17日現在でア・リーグ中地区2位だが、救援陣の防御率4・24はリーグ15球団中13位。層も薄く、大リーグ通算379試合の登板経験がある田沢が調子を上げれば、昇格は十分にある。
「思い出深い」球団でもある。レッドソックスでワールドシリーズ制覇に貢献した2013年、ア・リーグ優勝決定シリーズで戦った相手だった。当時セットアッパーとして活躍していた田沢は、デトロイトで行われた試合でも活躍。直球主体の投球でタイガースの強打者を抑えた記憶は、今もファンに残っている。
今後メジャーに上がれるかは、3Aトレドで成績を残せるかにかかる。「いついけと言われてもいいように準備したい」。再び大歓声のマウンドに上がるため、日々できる最善を尽くしている。(遠田寛生)