アニメキャラクターのコスプレ姿の矢吹志帆さん(中央)、夫の矢中鷹光さん(左)ら=三重県熊野市役所
3年前に放映され、人気を博したファンタジーアニメ「凪(なぎ)のあすから」。美しい海が印象的な作品は三重県熊野市がモデルとされ、ファンが「巡礼」に訪れていた。制作者側は放送終了後も舞台を公にしていなかったが今春、熊野市をモデルにしていたことを認めた。アニメの一場面として使われ、ファンイベントも開いてきた同市のカフェが5日に「公認」をお祝いする。
アニメは富山県南砺市のピーエーワークスなどが制作。海底と陸上で中学生が織りなす恋愛ファンタジーで、2013年10月から14年4月にかけて、テレビ愛知などで放送された。
アニメの一場面とされていたのが、海に面した同市波田須町のカフェ・音楽ホール「くまの天女座」だ。天女座の案内板に似た看板が「人魚座」として登場することからインターネットで話題になり、「聖地」としてファンが訪れ始めた。14年7月に天女座で初の交流会が開かれ、全国から約30人が参加した。オーナーの矢吹紫帆さんがシンセサイザーを演奏し、ファンたちはアニメソングを歌って盛り上がった。交流会は今も定期的に開かれている。
ファンタジーの要素があるため、制作側は舞台のモデルの公表は避けていた。だが、今年3月、ツイッターで熊野市をモデルにしたことを発表した。
「凪のあすから」をプロデュースした会社「インフィニット」の永谷敬之プロデューサー(39)は「幼少期の原風景を再現したいと思い、吟味する中で熊野市の風景が非常にマッチしていた。地元の皆様が多くのファンを受け入れて下さり、いつか公式に認めたいと思っていた。長く作品を愛してもらえる取り組みができればと、公表しました」とコメントした。
矢吹さんらは5日の天女座16…