東京・歌舞伎座で「団菊祭五月大歌舞伎」が３日に開幕、夜の部で坂東楽善（らくぜん）家の襲名と孫の初舞台が行われた。満席の約２千人が詰めかけた。

寺島しのぶさんの息子、歌舞伎座初お目見えへ

坂東彦三郎さん（７４）が坂東楽善を初代として名乗り、彦三郎さんの長男の亀三郎さん（４０）が九代目坂東彦三郎を、次男の亀寿（かめとし）さん（３８）が三代目坂東亀蔵をそれぞれ襲名した。夜の「壽（ことぶき）曽我対面」で襲名口上を披露した。楽善さんは「こののちもごひいきのほどよろしくお願い申し上げ奉りまする」、九代目彦三郎さんは「名を汚さぬように一生懸命努めて参ります」、亀蔵さんは「家族４人で襲名、初舞台をさせて頂きますこと、誠にありがたい」と述べた。九代目彦三郎さんの長男の侑汰（ゆうた）さん（４）は六代目坂東亀三郎を名乗り、初舞台を踏んだ。

昼の部「魚屋宗五郎」では尾上菊五郎さんの孫で、俳優寺島しのぶさんの長男の寺嶋眞秀（まほろ）さん（４）が初お目見えした。花道から酒屋の丁稚（でっち）の与吉で登場、前掛け姿で酒だるを宗五郎の家に届けに来て「美しいお女中さんからでございます」など、よく響く声でセリフを言った。客席から「音羽屋！」のかけ声が飛んだ。２７日まで。（山根由起子）