宗像大社の「神宝館」に展示されている沖ノ島の模型=6日午前11時51分、福岡県宗像市、日吉健吾撮影
世界遺産への登録勧告を受け、沖ノ島は観光スポットとしても注目が集まりそうだ。しかし島は全体がご神体で、上陸は原則不可。女人禁制の宗教的タブーもある。「行くことのできない島」の観光と保護の両立に向け、地元の関係者も知恵を絞っている。
沖ノ島、世界文化遺産へ 条件付きで登録勧告
島を所有する宗像大社では、神宝館での出土品の展示のほか、様々な催しを通じ、宗像や沖ノ島への理解を深めてもらう考えだ。「守るべきものと公開するものを今まで以上に峻別(しゅんべつ)することになる」と宗像大社の葦津敬之宮司。こうした条件の中で、魅力を多くの人にどう伝えるか、試行錯誤が始まっている。
新たな試みとして、沖津宮遥拝(ようはい)所のある大島では7月、沖ノ島との歴史などを紹介する「大島交流館」が開設予定。約50キロ離れた沖ノ島のイメージを映像で伝えるなど、観光拠点としての役割を担う。宗像市の郷土文化学習交流館「海の道むなかた館」は祭祀(さいし)の変遷や出土品を紹介するパネルなどを充実させ、福岡県も今後、沖ノ島の祭祀遺跡の映像を制作するなど、登録後を見すえた取り組みに乗り出した。
また沖ノ島近海は好漁場として…