森友学園への国有地売却、残る数々の疑問
土地の大幅値引きの根拠になった「新たなごみ」はいつ見つかったのか――。森友学園(大阪市)への国有地売却問題で、そんな論点が浮上している。学園の籠池泰典・前理事長は「国は2015年9月までに把握していた」と主張。本当なら、汚染土の除去工事を進めていた時期にあたるため、野党側は「さらに約8億円値引いた根拠が揺らぐ」と追及する構えだ。
特集:森友学園問題
学園は15年5月に土地の定期借地契約を結んだ。土地には鉛などの汚染土が含まれていると分かっており、国が約1億3千万円を負担して同年7~12月、汚染土や地下3メートルまでの「埋設物」が除去された。
ところが16年3月、籠池氏は、「新たなごみ」が見つかったと国に報告。財務省の田村嘉啓・国有財産審理室長に面会し、対応を求めた。国は新たなごみの撤去処理費用などの名目で約8億2千万円を値引き、土地を売った。
この「新たなごみ」について、籠池氏は4月28日に民進党のヒアリングに出席した際、「国が15年9月までに把握していたものだ」との認識を示した。その根拠は、除去工事を請け負った建設業者が作成した財務省近畿財務局などとの「打ち合わせ記録」だ。
記録によると、打ち合わせがあ…