文書を巡る政府の主張と識者らの指摘
疑惑解明の手がかりになる記録は捨て、公開した文書も大半が黒塗り――。森友学園(大阪市)への国有地売却問題の発覚から3カ月。国会論戦では、政府の文書の取り扱いが問題視され続けている。政府職員が作った文書も「行政文書に該当しない」と閣議決定するなど、政府の対応が恣意(しい)的との指摘が野党や識者から出ている。
8日にあった衆院予算委員会の集中審議で問題になったのは、国の情報開示のあり方だ。
「全部のページ、真っ黒黒塗り」。民進党の福島伸享氏は「非開示」部分だらけの文書を掲げた。
文書は、学園が国有地に新設予定だった小学校の設立趣意書。2013年に国に提出された。今回、福島氏の求めで財務省が開示したが、タイトルも内容もほとんどが隠されていた。
福島氏は学園の籠池泰典前理事長らが開示に同意していると主張したが、財務省の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長は「学校運営の手法に該当し、公にすると学校法人の利益を害する恐れがある」「学園は民事再生手続きが開始された。開示する場合、管財人への確認が必要」と突っぱねた。
福島氏は、タイトルに安倍晋三首相の名を冠した校名が書かれている可能性に触れ、「それを出したくないから黒塗りじゃないですか」と政府の思惑で非開示とした疑念を口にした。
■保存は「1年未満」
野党は2月の問題発覚直後から、文書の扱いが恣意的と指摘してきた。一連の取引に関する学園との面会記録の保存期間が「1年未満」としてすべて廃棄されたためだ。
財務省の規則では、国有財産処…