廃炉費用の積み立ての仕組み
東京電力ホールディングスに福島第一原発の廃炉費用の積み立てを義務づける「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法」の改正法が10日、参院本会議で自民、公明、民進などの賛成多数で可決され、成立した。政府の管理下で廃炉の着実な実施をめざす。ただ、東電が長期間にわたって費用を捻出できるかは不透明だ。
福島原発処理費、21.5兆円に倍増 経産省試算
改正法では、東電が政府出資の「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に毎年、費用を積み立てる義務を負う。積み立てる額や、廃炉の実施のために取り崩す額を決める時には経済産業相の認可や承認が必要な仕組みで、国の管理を強める。
経産省は昨年末、福島第一原発の廃炉費用が従来見通しの約4倍にあたる8兆円に膨らむと試算。この支払いのため、東電は約30年間、毎年3千億円前後を用意する必要がある。賠償のための資金と合わせ、毎年約5千億円の利益を確保し続けなければならない。利益が足りなかったり、廃炉費用が想定よりさらに増えたりすれば、新たな国民負担が生じかねない。
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