大型クレーンで網に入った砕石が浜辺に沈められた(左上)。海上では抗議のカヌーと海上保安庁のボートが向かい合った=25日午前9時31分、沖縄県名護市、朝日新聞社機から、堀英治撮影
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を名護市辺野古へ移設するため、政府は25日、埋め立て工事を始めた。工事が進めば原状回復は難しくなり、沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は「強行は許しがたい」と猛反発。返還合意から21年。計画は迷走を重ねた末、地元の反対を押し切って工事に突入した。
辺野古埋め立て護岸工事始まる 政府、5年で完了めざす
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辺野古の米軍キャンプ・シュワブの北側の浜辺では、午前9時20分ごろから大型クレーンが動きだし、網に入った数十個の石を水際に沈めた。20分ほどの間に5袋が置かれ、その後は投入は確認されなかった。
県は、現場に漁業取締船を派遣して工事を確認。翁長知事は県庁で報道陣に「あらゆる手法を適切な時期に行使し、辺野古に新たな基地を造らせないという県民との約束を実現するため、全力で戦う」と徹底抗戦の構えをみせた。
名護市の稲嶺進市長も各社の取材に「県民の思いを無視した形で強行していく政府のやりかたについては到底許せるものではない」と述べた。
埋め立てが始まり、辺野古の海…