キャンプで打撃練習をする大田=米アリゾナ州ピオリア
(12日、日本ハム15―1ロッテ)
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レフトへ、ライトへ、まるで追い風でも受けているかのように、打球が飛んでいく。日本ハムが東京ドームにかけたアーチは計7本。1950年5月31日、前身の東急フライヤーズ時代に打ち立てた球団記録に並んだ。
最初の一発は二回、巨人から移籍の大田。昨季まで本拠だった球場の左翼席最前列へ放り込む。三回は近藤とレアード。四回、今度は西川が右中間席へたたき込んだ。五回は、再びレアード。大田も外角のカーブを右翼席へ運んだ。「1軍の試合で右中間に本塁打が出ていなかった。収穫」。そして、四番だ。「会心。みんなの流れに便乗した」。中田らしい、左翼席への大きな放物線で締めた。
どん底だった4月を終え、チームは確実に上昇気流に乗っている。3、4月の平均得点は2・44点、平均失点は4・84点。5月は8試合を終えた時点で、それぞれ、4・63点、2・63点と改善した。点が取れないと、投手陣はどうしても慎重になる。それが制球ミスを招く。打線が復調した今は、投手も大胆に攻めていける。好循環だ。
これで5月は7勝2敗となった。栗山監督は勝率5割に戻すまでの目標を設定している。「もう、(選手、コーチ陣の)みんなにも話したけど、交流戦までにいくつ取れるか。めいっぱいいく」。区切りの交流戦まで、あと12試合。昨季見せた、あの15連勝の爆発力を、再現できるか。(山下弘展)
○栗山監督(日) 「監督の立場としては、こういう試合の後は怖くて仕方ない。(狭い)球場のこともある。あすに生かしたい」
○大田(日) 東京ドームで、自身初の1試合2本塁打。「いろんな思いがある。うれしさはあるが、まだまだファイターズに貢献したい」
○中田(日) 五回に球団記録に並ぶチーム1試合7本目の一発。「こういう試合は続かない。こういう試合はもうない」
○西川(日) 四回にチーム4本目の本塁打。「1試合にどれだけ点を取ろうが、あす完封されると意味がない」
○レアード(日) 2打席連続本塁打。「みんなで大量点を取って、楽しい試合だった。スゴイネー」