棄権の理由を説明する錦織圭
テニスのマドリード・オープンで12日、男子の世界ランキング8位、錦織圭(日清食品)は同2位、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)とのシングルス準々決勝を右手首痛のため棄権し、4年連続のベスト4入りはならなかった。
錦織圭、右手首の故障で棄権 ジョコビッチと対戦予定
コラム「匠の圭」
記者会見場に姿を見せた錦織は「昨日の試合の後から少し痛くなり、来週出たい気持ちもあるので、リスクは避けました。100%でプレーできないので」。
今季本調子ではないとはいえ、10連敗中のジョコビッチは、痛みが増さないような「だましだまし」のプレーで勝てる相手ではない。撤退は賢明な判断だろう。
14日からイタリア国際(ローマ)、そして4大大会の全仏オープン(28日開幕・パリ)が控える。錦織は「ローマは出たいと思っているけど、約束はできない。全仏の方が僕には大事だから」と明かした。
今の症状はショットによって痛みを感じたり、感じなかったりと気まぐれなようだ。「筋肉の痛みなら、無理もできるけど、手首は骨がたくさんある箇所だし、まだ少し炎症があるかもしれない」。炎症だとしたら、休養が有効な「治療法」だ。「前向きに考えて、来週試合ができるように最大限の努力をしたい」。努力で回復を早めるのが難しいけがだけに、本人ももどかしいだろう。(マドリード=稲垣康介)