レッドドット・デザイン賞で最優秀賞に選ばれた水栓金具(TOTO提供)
15日に創立100周年を迎えたTOTOが、デザインをより意識したものづくりを強化している。温水洗浄便座「ウォシュレット」などで国内のトイレの習慣を変えてきたが、今後はデザイン性を求める欧州などでの売り上げ拡大を目指す。
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「技術はTOTOがおそらく世界一。ただ、デザインは欧州メーカーにいま一歩のところにある。海外で戦う上で、デザインをしっかりしなくては」
喜多村円社長は4月、新入社員へのあいさつで力を込めた。出席したドイツでの展示会を踏まえて語った。同月に、デザイン部を社長直属にした。
社長の方針は花開きつつある。同社の洗面台の水栓金具の「GOシリーズ」が、4月に「レッドドット・デザイン賞」で最優秀賞を取った。国際的に権威があるとされるドイツのデザイン賞で、初の最高賞だった。くびれを作り、植物のような動きを意識してデザインした。担当の瀧口雄介さんは「洗面空間に華やかさが生まれるだけでなく、使い勝手のいいTOTOらしい商品になった」。
共通化を進める部品を多用し、蛇口とレバー部分の間も、社内規定に合わせて「指を挟んでけがをしない空間」を維持した。
生産の効率化を考えるとデザインが制約されがちになる。喜多村社長は生産現場との調整を深化させた。瀧口さんは現場と連日のように連絡を取り、開発に約1年をかけたという。
水栓金具以外にも、3月にはド…