砲台跡に吹き上げられた漂流ゴミ=和歌山市加太の友ケ島
和歌山市加太の沖に浮かぶ無人島の友ケ島。終戦まで要塞(ようさい)施設として使われており、砲台や火薬庫の跡が、人気アニメ「天空の城ラピュタ」の世界に似ていると最近、人気が高い。しかし、大阪湾の漂流ゴミが大量に流れ着き、関係者が頭を悩ませている。みんなの力で景観を守ろうとのプロジェクトが始まった。
ペットボトルに発泡スチロール、空き缶にポリ袋……。島に上がると、至る所にゴミが積み上がっている。同市によると、大阪、神戸などのゴミが河川を通じて海に流れ、太平洋に到達する前に友ケ島に引っかかってしまうのだという。
これまでも市民団体などがゴミ拾いをしたが、きれいになった途端、次々とゴミが流れ着いてしまい、らちがあかない。和歌山市から委託を受けて島内を管理する加太漁協も船が着く桟橋周辺しか手が回らない。沿岸部だけでなく、強い風で軽いゴミが山の斜面にまで吹き上げられているのも深刻だという。
何とか景観を守ろうと、企業や自治体と協力し自然の保全に取り組む一般社団法人「グリーンバナー推進協会」がゴミ撤去のためのプロジェクトを立ち上げ、4月24日、ボランティアを集めて沿岸部の清掃を行った。この日だけで、ゴミ袋が約20袋満杯になった。参加した地元加太の渡海武さん(73)は、「話を聞き、地元のことで協力できたらと思い、参加した。実際に見てみてゴミの量に驚いた」と話した。
山の起伏が激しい島内では、ゴ…