日中韓首脳会談を前に記念撮影に臨んだ(左から)中国の李克強首相、安倍晋三首相、韓国の文在寅大統領=2018年5月9日午前9時59分、東京・元赤坂の迎賓館、代表撮影
安倍晋三首相と中国の李克強(リーコーチアン)首相、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領による日中韓首脳会談が9日午前10時から東京・元赤坂の迎賓館で始まった。2015年11月の韓国開催以来、約2年半ぶり。北朝鮮の非核化に向けた連携のほか、日中韓自由貿易協定(FTA)交渉の加速化など経済協力の強化についても協議する。
来日は中国首相が8年ぶり、韓国大統領は7年ぶりで、李、文両氏は就任後初めて。4月27日の南北首脳会談を踏まえ、6月初旬までの実施を目指す米朝首脳会談に向けて対北朝鮮政策を協議する機会となる。
3カ国は北朝鮮の非核化を目指すことで一致しているが、「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」が実現するまで最大限の圧力を維持する方針を掲げる日本に対し、中国は非核化と朝鮮半島の平和枠組み構築を同時に進める考え。韓国は南北首脳会談で署名した「板門店宣言」を重視する。3カ国の首脳が立場の違いを超え、どこまで連携できるかが焦点だ。
安倍首相は拉致問題の早期解決への協力を呼びかけるとみられるが、李、文両氏から具体的な協力を引き出せるかにも注目が集まる。
経済では、日中韓FTAや東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉加速について協議する。3カ国のGDPの合計は、世界全体の20%を超えることから、日本外務省は「3カ国の経済協力は東アジア、ひいては世界の安定と繁栄につながる」とする。
9日午後には日韓首脳会談、日中首脳会談が行われる予定。(小野甲太郎)