イスラエル領を指さす「イランの庭園」の男性職員=4日、レバノン南部マルンアルラス、杉崎慎弥撮影
中東のレバノンで6日午前(日本時間同日午後)、9年ぶりの国会議員選挙(定数128)の投票が始まった。経済政策や東隣のシリアの内戦への対応が争点で、サウジアラビアが支援するハリリ首相のスンニ派勢力と、イランが支えるシーア派組織ヒズボラが対立する構図となっている。近年、影響力を強めているヒズボラが躍進するかに注目が集まっている。
首都ベイルートの南約100キロのマルンアルラス。ここに、「イランの庭園」と名付けられた約2万平方メートルの公園がある。敷地には、イランの最高指導者ハメネイ師と初代最高指導者ホメイニ師の肖像写真が飾られ、イランの国章が記されたモスクが立つ。
公園は2011年、ヒズボラがイランの支援を受けて建設した。高さ15メートルの見晴らし台からは、数百メートル先に国境を隔ててイスラエルの領土が見下ろせる。公園の男性職員は「ここはイスラエルに重圧を与えるためにつくられた。ヒズボラがイランから支援されている証拠でもある」と語る。
ヒズボラはレバノン国軍をしのぐ軍事力を持ち、近年はシーア派を超えて支持が広がるなど、存在感を増している。レバノン・アメリカン大学のイマッド・サラメイ教授(中東政治)は「ヒズボラはレバノンの中のもう一つの国家のようになっている」と指摘する。
世論調査によると、ヒズボラと…