巨人の阿部慎之助
(16日、巨人5―1ヤクルト)
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4番が打って、エースが抑える。理想的な展開で快勝した巨人の高橋監督は、ご機嫌だ。「菅野がきっちり投げて、阿部の一発も大きかった。さすがだね」
いきなり巡ってきたチャンスに、阿部が一振りで応えた。一回2死二塁。ど真ん中のカットボールが2球来たが、狙いは違うとばかりに、ぴくりともしない。1ボール2ストライクからの4球目、外角150キロを振り抜き、左翼ポール際に先制2ランを運んだ。「うまく打てた。打った瞬間、いったかなーと思った」。2連敗中の重苦しい雰囲気を吹き飛ばした。
この先制弾に、勇気をもらったのが防御率1点台の菅野だ。「いつも阿部さんには感謝している。どんどん攻めていこうと思った」。ストライク先行で、ヤクルト打線を封じていく。七回にバレンティンに特大の本塁打を許したが、崩れない。八回1死満塁のピンチでは山田の投手前へのゴロに素早く反応し、グラブトスで本塁封殺。「狙い通り」と8回1失点、91球でリーグトップタイの5勝目を手にした。
そんな力投が「頼もしく見えた」という阿部は五回にも2点適時打を放ち、今季33打点でリーグトップに立った。投打の柱が活躍しているのに、チームは勝ち越し2の3位と乗り切れないでいる。「チームを勢いづかせたい」。2人の共通の思いが、絵に描いたような勝利をきっかけに、現実のものとなるか。(山口裕起)
○立岡(巨) 五回、右前適時打。「菅野さんがヒットでつないでくれたチャンスで打つことができてよかった」