バイアスロン女子6キロ立位、射撃で的を狙う阿部友里香=時事
(平昌パラリンピック、10日)
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バイアスロン女子6キロ立位の阿部友里香(日立ソリューションズ)は9位。前回ソチ大会の13位から順位を上げたが、入賞にあと一歩。「重たい走りになってしまった」と悔しさをにじませた。
中学3年だった7年前の3月11日、地元の岩手県山田町で東日本大震災に遭った。進学した地元高校が通えず、スキーの強豪・盛岡南高に転校した。「あれが人生のターニングポイントだった」。練習漬けのアスリート生活が始まった。
大東大に入り、22歳で迎えた2度目の大舞台。右片手で狙う射撃は計10回全て成功させたが、海外勢とは走力で差をつけられた。
パラリンピックでは、実測タイムに障害や運動機能に応じた係数をかけた「計算タイム」で順位を競う。阿部はストック1本を使う「LW6」クラス。優勝したのは両ストックを使えない「LW5/7」クラスのロシア人選手(中立のパラリンピック選手)で、実測タイムでも阿部を上回った。
この4年で地元はかさ上げが進んだ。「たまに帰ると復興してきたなあと思う」。自分ができることは、スキーで頑張ること。スキー距離とバイアスロンで今大会はあと3レースに出場する。「見る人が次の日も頑張ろうと思うような滑りをしたい」(菅沼遼)