仙台市でいじめ被害を訴えていた市立中学2年の男子生徒(当時13)が自殺した問題を受け、義家弘介(ひろゆき)文部科学副大臣が22日、文科省内で仙台市の奥山恵美子市長、大越裕光教育長らと面会した。2人の教諭がこの生徒に体罰を加えていたことについて義家氏は「いじめを助長させる行動だ。子どもを守るはずの教員による、極めて不適切な指導だった」と批判した。
中2自殺「体罰が引き金の可能性高い」 仙台市長
同級生「人間以下」 ズボン下げられ… 仙台の中2自殺
この問題では、教諭2人が生徒の頭をたたいたり、粘着テープで口を塞いだりしていたが、生徒の自殺後の調査に申告せず、同級生の保護者からの連絡で明らかになった。義家氏は「市教委が主体となって事実の解明や再発防止策にあたるのは透明性、信頼性の観点から困難だ」と述べ、市長が調査を主導するよう求めた。教育委員会は首長から独立して教育行政を担うことが原則で、文科省がこうした調査で首長に主導的な対応を求めるのは異例だ。
仙台市は今後、体罰が自殺のきっかけになった可能性も含めて調べるという。奥山市長は面会後、「教育現場への信頼を大きく損ねており、指摘を厳しく受け止めている。開かれた形で調査をしていきたい」と述べた。(根岸拓朗)