ブリュッセルで25日、北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議に参加し、スピーチするトランプ米大統領(右)。後ろはストルテンベルグNATO事務総長=AFP時事
トランプ米大統領が初めて出席する北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が25日、ブリュッセルで始まった。トランプ氏は加盟各国に防衛費の増額やテロ対策の強化を迫った。一方で、コミー米連邦捜査局(FBI)長官の解任などでトランプ政権の「ロシア疑惑」が深まる中、ロシアに対する強いメッセージを出せるかも焦点だ。
演説したトランプ氏は、英マンチェスターの爆破テロに触れ、「テロは人類共通の脅威であり、駆逐しなければならない」と訴えた。その上で、NATO加盟28カ国が財政を公平に負担するよう要求。「加盟国は財政的な義務を満たし、公平な分担を負わなければならない」と強調した。
トランプ氏の念頭にあるのが、NATOが2024年までの達成を目指すとしている「各国の防衛費を国内総生産(GDP)比で2%以上にする」との目標の早期実現だ。加盟国のうち、16年時点で達成しているのは、米国以外は英国など4カ国のみだ。
トランプ氏はこうした現状を「米国の納税者にとって公平ではない」と異議を唱え、「GDP比2%も十分ではない。これは最低限だ」とも述べた。
トランプ氏は就任前、集団防衛…