坂本龍馬の像と手を合わせる孫正義社長(左)と尾﨑正直・高知県知事=31日、東京都内
ソフトバンクグループの孫正義社長は31日、サウジアラビアの政府系ファンドと共同で設立した10兆円規模のファンドについて、幕末に薩摩藩と長州藩が結んだ「薩長同盟」になぞらえ、「坂本龍馬さんは経済の力で薩長の両大国をとりもった。米国と中東はいろんな問題があったが、(ファンド設立が)僕にとっての薩長同盟だ」と述べた。東京都内で6月1日に始まる龍馬関連の展覧会会場で報道陣の取材に応じた。
孫氏は大の龍馬ファンを公言しており、白地に2本の横棒が入ったソフトバンクのロゴマークも海援隊の旗をもとにしている。孫氏は「15歳で、司馬遼太郎の著作『竜馬がゆく』を読んで人生観が変わり、16歳で脱藩するように高校を中退して渡米した」と回想。その後、米国の大学在学中に自動翻訳機を発明し、そのアイデアで得た資金を元に後のソフトバンクを起業している。
報道陣に「何を成し遂げれば龍馬に並ぶと思うか」と聞かれ、孫氏は「並ぶことは永遠にない。ファンドは10兆円では足りず、もっと大きくする。情報革命で世界中を幸せにしたい」と話した。
展覧会は、龍馬の立像やゆかりの品などが展示される「土佐からきたぜよ! 坂本龍馬展」。1日から25日まで、東京都目黒区のホテル雅叙園東京で。当日券は大人1500円、小学生以下は無料。(徳島慎也)