「VRクリエイティブアワード2017」のファイナリスト(最終選考通過)作品には失禁体験ができる展示デモもあった=1日午後、東京都千代田区、竹谷俊之撮影
バーチャルリアリティー(仮想現実、VR)の世界を引っ張るクリエーターや作品を発掘し、支援することを目的とした「VRクリエイティブアワード2017」(VRコンソーシアム主催、メディアパートナー朝日新聞社)が1日、東京都内で開かれ、総応募作品128点の中から、ビジネス向けの商業部門、個人が制作した個人部門などで優秀作品が選ばれた。
商業部門最優秀賞は「VR Real Data Baseball」(バスキュール社作)。捕手や打者になったように感じ、一流プロ野球投手の投球を体験できる。来場者が選ぶ一般投票優秀賞にも選ばれた。
個人部門の最優秀賞に選ばれたのは「Mikulus(ミクラス)」(近藤義仁さん作)。見る人がヘッドマウントディスプレーを装着すると、自分の周囲に広がる空間に動画などを映し出すことができる。VRの世界で、パソコンのOS(基本ソフト)のような役割をめざすという。
朝日新聞社賞は「日本列島VR」(VoxcellDesign社作)。日本列島の上空を自在に移動できるような体験ができ、壮大な風景を見渡すことができる。
受賞は逃したが、会場の注目を集めたのが「失禁体験装置」(電気通信大ロボメカ工房VR部隊作)。尿に見立てたぬるま湯が、股間につけた袋にたまって「失禁」すると、両脚に沿って貼り付けられたホースを通って足元に流れる。足を伝う感覚はまさに「失禁」だ。介護分野などでの利用を目指している。
会場ではさまざまなVR作品を体験でき、来場者は「これはリアルだ」「これは新しい」など口々に感想を述べていた。(丹治吉順)