講演後に記者会見する日本銀行の原田泰審議委員=1日、岐阜市内
■原田泰・日本銀行審議委員(発言録)
日銀原田委員「長期的損失の危険ない」 出口懸念に反論
出口戦略をどのような速度で行っていくかは、物価上昇のモメンタムによるので一概に答えられないが、基本的には金利を上げる、あるいは日銀が買っている(国債の)量を減らすことを組み合わせて行われるものと考えている。
心配する人は、金利を上げていく過程で、日銀が既に持っている国債の金利は低いままなので、(日銀の収益が)短期的に赤字になる可能性を心配している。それはあくまでも短期的なもので、金利が上がるということは最終的には日銀が高い金利収入を得られるということなので、長期的に考えれば日銀の財務の健全性に悪影響を及ぼすということはない。
赤字を債務超過と言い換えても同じだ。理論的な面から、(日銀は)普通の企業ではないので、債務超過や赤字を気にする必要はない。理論的に考えても、現実的に考えても、何も心配する必要はない。
(「年80兆円めど」で国債を買い増すという政策は)ネガティブなショックを弱める機能がある。景気が悪くなって金利が下がっているので何とかしなくてはいけない、と反応するわけで、「80兆円めど」がついていた方が安心である、という意味で重要だ。(岐阜市での記者会見で)