大阪地裁岸和田支部で作成された刑事裁判の「公判調書」をめぐり、大阪高裁の控訴審で被告側が「事実と異なる記載がある」と指摘し、作成した地裁支部書記官を高裁が証人尋問する異例の決定をした。6月1日の公判で実施する。
公判調書は裁判の期日ごとに審理内容など重要事項を書記官が記載し、裁判官が押印する。刑事訴訟法で作成が義務づけられている。
問題となったのは過失運転致傷罪に問われ、昨年7月に起訴された男性被告の第2回公判の調書。同年10月、審理に参加した被害者の家族が被告に質問していた。検察官は、質問事項が妥当かどうかの意見を裁判所に伝える決まりだが、弁護人によるとこの日は検察官が意見を述べないまま質問がされた。
しかし、調書には検察官が「許可相当と思料します」と述べたと記載。弁護人が一審判決後の12月に「記載に誤りがある」と同支部に申し立てたが、担当した大崎良信裁判官は「検察官から許可相当の意見が明確に述べられ、裁判官および書記官が確認している」との書面を出した。
支部は執行猶予付き有罪判決と…