女子シングルス準々決勝で勝ち、メダルを確定させた平野
(2日、卓球世界選手権・女子シングルス準々決勝)
平野もダブルスも、日本メダル確定続々 卓球世界選手権
世界卓球、平野のメダル確定 日本勢48年ぶり
強打、また強打。平野が持ち味の超攻撃的なスタイルで、2012年ロンドン五輪銅メダリストのフェンを圧倒した。「本当にうれしい」。口に手を当て、跳びはねた。第3ゲームこそ18―16ともつれたが、あとは平野のペースだった。
平野の高い攻撃力は、球の回転を見極めてラケットを合わせる「ボールタッチ」が下敷きになっている。卓球王国・中国では、フォア、バックとも、ボールの捉え方や回転のかけ方一つ一つに名前を付け、細分化している。平野は小学校高学年から中国出身のコーチに中国流の打法を教え込まれた。
母の真理子さんは娘が中国に遠征した時に、こんなことを言われたことを覚えている。「前腕部だけ欲しい」。ボールタッチが素晴らしいという意味だが、裏を返すと強打を連打できる体幹が鍛えられていないということだった。
15年秋、リオデジャネイロ五輪に落選が決まると、強打を連打するスタイルに変更。体幹トレーニングで徹底的に鍛え、スマッシュを打ってもすぐ構えの体勢に戻れる体を作った。今年に入ると1月の全日本選手権を史上最年少で制し、4月のアジア選手権では中国勢を3連続で破り、日本勢21年ぶりのアジア女王に輝いた。
日本勢48年ぶりのメダルの快挙を達成したが、中国勢と一度も対戦しない組み合わせにも恵まれた。これからは、中国勢と対戦する。「中国勢を完全に超えたい」という戦いが始まる。(前田大輔)