大勢の観光客で埋まった国慶節の万里の長城=北京市、2005年10月撮影
ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の国別登録数で、中国がイタリアと並んでトップに躍り出る可能性が出てきた。ユネスコの諮問機関が5月、中国の候補2件の登録を勧告したためで、勧告を受けて7月にポーランドである世界遺産委員会で最終判断される。
世界遺産の総数は、文化遺産814件、自然遺産203件、両方の価値を備えた複合遺産35件の計1052件(昨年7月現在)。国別の最多は51件のイタリア。続いて50件の中国、45件のスペイン、42件のフランス、41件のドイツの順で、日本は20件で12位。
ユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)は5月、中国が申請した自然遺産「青海フフシル」と文化遺産「鼓浪嶼 歴史的居留地」の2件の登録を勧告。イタリアの候補の登録勧告は、文化遺産「15~17世紀のベネチアの防衛施設群」(クロアチア、モンテネグロと共同申請)の1件にとどまった。イコモスが登録を勧告した候補は同委員会で正式登録される見通しで、勧告通りなら52件で両国は並ぶ。
中国の登録は1987年に万里…