小型機が消息を絶った現場付近=3日午後6時50分、富山県立山町、朝日新聞社ヘリから、安冨良弘撮影
3日午後3時ごろ、富山県立山町の山中に飛行機が墜落した、と110番通報があった。県警などによると事故機は4人乗りの小型機とみられ、2人が意識不明との情報がある。救助に向かった県警のヘリコプターは、視界が悪く午後5時半過ぎに引き返した。山岳警備隊も地上から救助に向かったが、現場が見つからず、午後8時25分に捜索を打ち切った。4日早朝から再び捜索するという。
上市署によると、事故機の搭乗者名簿に載っていたのは、木下孝雄さん(57)=長野県松本市▽小口(おぐち)英児さん(48)=同県岡谷市▽河西(かさい)勝基さん(21)=同県下諏訪町▽樋口和樹さん(22)=同県富士見町の4人。
国土交通省などによると、事故機は新中央航空(茨城県龍ケ崎市)が所有する単発プロペラ機の「セスナ172P型」。飛行計画では、4人が乗って3日午後2時23分に富山空港(富山市)を離陸し、1時間後に松本空港(松本市)に着陸する予定だった。
新中央航空によると、フライトは自家用の操縦免許を持つ小口さんの訓練飛行。教官役の木下さんは同社松本運航所運行課長で、飛行経験が30年超のベテランという。河西さんと樋口さんは、小口さんの仲間という。同社は調布事業所(東京都調布市)に対策本部を設置した。
県警によると、通報した男性は河西さんを名乗り、「足が挟まれて動けない。けが人は4人。機長と教官は意識がない。後ろの2人は意識がある」と話したという。県警は訓練飛行中に墜落したとみている。県警が河西さんの携帯電話に連絡を試みているが、つながらないという。
県警は、携帯の電波から立山黒部アルペンルートの立山ロープウェイ大観峰(だいかんぼう)駅(標高2316メートル)付近とみている。駅付近は濃い霧に覆われていたという。アルペンルートのホームページによると、3日午後1時ごろの現場周辺の気温は1度だったという。