茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターでウランとプルトニウムが入った保管容器から放射性物質が漏れて作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構は7日、作業員1人の肺から2万2千ベクレルのプルトニウムが検出されたと発表した。
茨城・大洗の原子力機構の施設で作業員5人が被曝
放射性物質拡散、体に付着か 研究施設で容器の点検中
この問題は、7日の原子力規制委員会の定例会でも報告された。放射線防護が専門の伴信彦委員は「命に関わることはないだろうが、軽微なものではない。かなりの内部被曝になることは確実だ」と、作業態勢などを問題視した。
事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室で、保管状況を調べるため金属容器のフタを開けたところ、中のビニールが破れて放射性物質が飛散。5人の防護服や手袋が汚染された。5人はいずれも口や鼻をマスクで覆っていたが、3人の鼻腔(びくう)内から最大で24ベクレルの放射性物質が確認されていた。
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被曝医療に詳しい、国際医療福祉大クリニックの鈴木元院長は「2万2千ベクレルは量としては多い。肺に入ったプルトニウムは、1週間から10日かけて化学薬品を霧状にして吸入させたり、点滴したりして排出させる。その後、体内に残っている量を調べて健康への影響のリスクを判断しなければならない」と話す。