プレーオフで山本泰輝(手前)に敗れ、顔をしかめる田中哲矢=東京・代々木第2体育館
16日に東京・代々木第2体育館で始まったレスリングの全日本選抜選手権で、思わぬ敵が選手たちを苦しめている。会場の暑さだ。
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原因は空調設備の故障。午前中から「急いで修理をしています」と繰り返しアナウンスがあったが、結局直らなかった。この日の東京の最高気温は29度。会場は風が通らず、立っているだけで汗が噴き出す暑さ。
選手の中でも、特に重量級の選手は汗だくだ。男子フリースタイルの最重量級である125キロ級の田中哲矢(自衛隊)は「すごく汗をかいて、1ラウンドでも体が滑った。息が上がるのもいつもより早かった」。
8月にパリで開かれる世界選手権の代表選考会も兼ねるこの大会。男子は昨年12月の全日本選手権と優勝者が違う場合、プレーオフで代表を決めることになっている。
田中は準決勝で全日本選手権覇者の山本泰輝(拓大)を破り、決勝も6分間を戦って2―0で競り勝った。だが、約1時間後にあったプレーオフで山本に敗れ、世界選手権の切符を逃した。「回復しきらなかったのはあるけど、暑いのはみんな同じですから。自分の体力の無さが敗因です」とうなだれた。(菅沼遼)