籠池泰典前理事長の妻が応対し、自宅に入る大阪地検特捜部の係官ら=19日午後9時2分、大阪府豊中市、上田潤撮影
森友学園側への大阪地検の家宅捜索は19日夜、学園の関連施設で断続的に行われた。午後7時すぎ、学園事務所がある塚本幼稚園(大阪市淀川区)に係官約10人が入った。通常国会閉会を受けた安倍晋三首相の会見のテレビ中継が終わって30分もたっていないタイミングだ。
森友学園事務所など家宅捜索 大阪地検特捜部
同じ頃、同市淀川区にある関連の「高等森友学園保育園」にも係官3人が着いた。だが、保育園は施錠してあり、なかなか中に入れない。園の関係者が到着し、係官が入ったのは午後8時45分ごろだった。
梅雨の合間の蒸し暑い夜。幼稚園には50~60人、保育園には約20人の報道陣が集まった。
午後9時ごろには、大阪府豊中市にある籠池泰典・前理事長の自宅にも、係官約10人が入った。当初は、門の前で「こんばんは」などとあいさつして係官を招き入れた泰典氏の妻。詰めかけた報道陣約40人にも妻は一礼した。
だが、捜索が進むにつれ、雰囲気は変わっていく。自宅2階のベランダに姿を見せた妻は報道陣に向かって訴えるように叫んだ。
「安倍首相、もういじめないで下さい」
「お父さんは詐欺なんかしていません」
泰典氏の長男は、捜索が続く自宅に報道陣を招き入れようとして、係官に制止された。