編集中の「やさしくなあに~奈緒ちゃんと家族の35年~」の一場面(C)いせフィルム
てんかんと知的障害のある横浜市の西村奈緒さんは、この夏、44歳になる。おじの伊勢真一監督(68)が、彼女と家族の歩みを記録し続けたドキュメンタリー映画の4作目「やさしくなあに~奈緒ちゃんと家族の35年~」が近く完成する。暫定編集の未完成版が25日、大阪市阿倍野区である「ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》」で上映される。
生後まもなく、難治性のてんかんで知的障害があることがわかった奈緒さん。幼い頃は特に重い発作に苦しみ、両親は医者から「この子は長くは生きられない」と告げられたという。
「今の元気な奈緒ちゃんを、アルバムを作るように撮影しよう」。伊勢監督は、奈緒さんが8歳の正月から日常を撮り始めた。奈緒さんと弟、両親の4人家族での初詣、誕生日パーティー、通学の風景……。奈緒さんの無邪気な言葉や行動にはっとする瞬間があり、「撮影がやめられなくなった」という。
第1作「奈緒ちゃん」(1995年)は、成人までの12年間。母・信子さんらが立ち上げた地域作業所での日々を描いた第2作「ぴぐれっと」(2002年)、グループホームへの自立を記録した第3作「ありがとう~『奈緒ちゃん』自立への25年~」(06年)と続き、作品は国内外で高く評価された。
撮りためた映像が千時間を超え…