ロジャー・ウォーターズのコンサートで、トランプ米大統領のイラストが描かれた豚の気球が、会場を飛んだ=米ロサンゼルス、平山亜理撮影
英ロックバンド「ピンク・フロイド」の元メンバーが21日、米ロサンゼルスで行ったコンサートで、トランプ米大統領を酷評した。トランプ氏の顔が胴体に描かれた巨大な豚の気球が、会場の中を飛び回る演出に観衆が沸いた。
ライブを開いたのは、同バンドの元ボーカル、ロジャー・ウォーターズ。大画面に、赤ん坊姿のトランプ氏がロシアのプーチン大統領に抱き上げられる風刺画を映し、ロシアの言いなりになっていると揶揄(やゆ)した。
「ニューヨークは寒く、雪が降っている。地球温暖化が必要だ」「僕の美しい点は、とても金持ちということだ」など、トランプ氏の数々の発言も紹介した。「トランプは、豚だ」と大文字が現れると、観客から大歓声が沸いた。
また、有名な曲「ザ・ウォール」の演奏に合わせ、若者が舞台に上り「抵抗せよ」と書かれたTシャツを着て拳を突き上げた。ライブの最後には、一枚一枚に「抵抗せよ」と書かれた紙吹雪が会場全体に舞った。
同ライブは、アルバム「イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?」(これは我々が本当に望んだ人生なのか?)の発売(6月)に合わせて行っている5月26日に始まったワールドツアーの一環。収録された曲の歌詞には「大馬鹿者が大統領に就任する」「最後の難民」など、社会批判がちりばめられている。(ロサンゼルス=平山亜理)