会見で意気込みを語る佐古氏
日本代表のポイントガードとして長く活躍し、「ミスターバスケットボール」の異名を取った佐古賢一氏(46)の男子代表アシスタントコーチ(AC)就任を23日、日本バスケットボール協会が発表した。佐古氏は会見で「2020年東京五輪出場を最大の目標に、代表にいろんな風を吹き込ませたい」と意気込みを語った。
佐古氏は中大3年で初めて日本代表に選ばれ、98年には31年ぶりの世界選手権出場にチームを導いた。いすゞ自動車で5度、アイシンで4度のリーグ優勝を誇り、40歳で現役を引退した。14年、NBLに新規参入した広島の監督に就任。B2でプレーした今季は入れ替え戦に進出したが、B1横浜に敗れて昇格を逃し、5月末に退任した。
日本協会の東野智弥技術委員長がAC就任を申し入れたのはその直後。同じ頃、広島では監督留任を求めて10万人の署名が集まっていた。佐古氏は「葛藤は大きかった」と明かすが、悩んだ末にAC就任を引き受けたのは、五輪への思いからだった。「現役時代、五輪への切符を手に入れることができなかった。自分の夢に挑戦したいという気持ちが強くなった」
76年モントリオール大会以来、五輪から遠ざかる日本は、東京五輪の開催国枠での出場は約束されていない。五輪前年の19年ワールドカップで16強に入ることが五輪出場の目安だが、現在の世界ランクは48位。道は険しい。佐古氏は「歴史を変えるチャンスだし、選手はそういうところにモチベーションを感じるはず。選手の相談に乗りながら、しっかり支えていきたい」と話す。(伊木緑)