4日の弾道ミサイル発射を視察する金正恩・朝鮮労働党委員長(中央)=朝鮮中央テレビの映像から、AP
北朝鮮が4日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射成功宣言に踏み切った。ICBM発射は「レッドライン(越えてはならない一線)」とされたが、金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は意に介さず、自らが発射を喜ぶ様子を全世界に見せつけた。射程が米本土に到達する可能性もあり、北朝鮮の挑発を止められない日米などの危機感は強い。
米軍当局者は中距離弾と否定 北朝鮮「ICBM成功」
「朝鮮は核兵器と共に世界のどの地域も攻撃できる最強のICBMを保有した堂々たる核強国」。北朝鮮は4日、「特別重大報道」と称し、「火星14」の発射を自画自賛した。
韓国軍事専門家の1人は「火星14」について「射程は最高高度の2倍以上とみるのが通常」と語り、射程が5600キロ以上になると分析。「ただ、39分という飛行時間だけをみれば、射程は1万キロ以上とみることもできる」とも語る。
安光瓚(アングァンチャン)・元韓国大統領府国家危機管理室長も「飛距離だけなら、ICBMの技術水準」と話す。韓国・慶南大学の金東葉(キムドンヨプ)博士は、液体燃料を使った3段式ミサイルとの見方を示した。
発射されたミサイルの性能には不明な点も多いが、北朝鮮が開発のテンポを速めているのは確かだ。
3月に液体燃料を使った新型エンジンの燃焼実験に成功すると、5月14日、そのエンジンを使ったとみられる中距離弾道ミサイル「火星12」(射程4千~5千キロ)を発射。6月には2段目の推進体用エンジンの燃焼実験も行われたという。「火星14」は最下段に「火星12」用のエンジンを複数束ねた可能性がある。
軍事関係筋によれば、日米韓は…