国会で答弁する藤原豊氏=6月16日
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」などと文部科学省に対して発言したとされる文書が明らかになった内閣府の藤原豊審議官が5日付で異動することになった。内閣府が発表した。国家戦略特区の担当を離れ、出身の経済産業省に戻る。
「ご意向」発言、一体誰が 文科省・内閣府食い違う説明
藤原氏は経産省大臣官房付と内閣府地方創生推進事務局審議官を併任し、国家戦略特区を担当していた。今回の人事で審議官職を解かれる。異動理由について、官邸幹部は「担当期間が長くなったため」としている。
藤原氏は2014年4月ごろから内閣府で国家戦略特区を担当。特区諮問会議の事務局で中心的な役割を担い、規制緩和を進める立場から省庁と折衝を重ねてきた。小泉政権でも規制改革を担当し、省庁と激しく交渉した経験がある。
文科省が公表したメールや文書では、内閣府側から「官邸の最高レベルが言っている」などと伝えられたとし、藤原氏がこの発言者とみられている。獣医学部新設の事業者選定の要件をめぐっては、実質的に加計学園しか応募できなくなる要件変更について「(要件変更の)指示は藤原審議官曰(いわ)く、官邸の萩生田(光一官房)副長官からあったようです」と記録されている。
藤原氏は国会答弁などで「お伝えした認識はない」と繰り返し否定している。