収賄容疑で逮捕された栗田好幸容疑者=2017年6月、千葉県八千代市
成田空港関連の契約にからみ現金の授受があったとして、警視庁は5日午前、成田国際空港会社(NAA)元上席執行役員の栗田好幸容疑者(64)を成田国際空港株式会社法の収賄容疑で逮捕し、発表した。併せて同日午後からNAA本社(千葉県成田市)の家宅捜索を始めた。
捜査2課によると、栗田容疑者は今年1月下旬、NAAが発注する成田空港関連の事務用品などの随意契約をめぐり、千葉県多古町の建築会社社長、越川勝典容疑者(47)と同社で経理を担当する妻の美奈子容疑者(46)から、2人が経営に携わる会社が有利になるよう便宜を図った見返りに、現金60万円を受け取った疑いがある。同課はこの2人についても同法の贈賄容疑で逮捕した。
同庁は3人の認否を明らかにしていないが、捜査関係者によると、栗田容疑者は警視庁が任意で調べた際、現金の受け取りを認めたという。
NAA関係者によると、栗田容疑者は2008年から保安警備部長を務め、15年7月から上席執行役員だったが、今年6月に退職した。一方、2人が経営に携わる会社は13年4月以降、成田空港の出入り口で使う通行止めゲートや空港事務所の事務機器用品をNAAに販売していた。
NAAは政府が100%出資しており、職員は公務員に準ずる立場。同法はNAA職員が職務に関連して賄賂を受け取った場合、3年以下の懲役を科すなどと定めている。