インタビューに答える籠池泰典氏=5月8日夜、東京都千代田区、関田航撮影
学校法人森友学園(大阪市)による補助金不正受給事件で、大阪地検特捜部は籠池泰典前理事長(64)に事情聴取する方針を固めた。大阪府議会が10日、同氏の参考人招致を予定しており、特捜部はそれを待って近く実施する考えだ。
大阪府議会、籠池泰典氏を7月10日に参考人招致
特集:森友学園問題
籠池氏の妻で、学園が運営する幼稚園の副園長だった諄子(じゅんこ)氏(60)についても園運営の中心的役割を担ったとみて聴取する模様だ。両氏の不正の意図などを尋ね、立件に向けた詰めの捜査に入るとみられる。
特捜部は国や府の補助金を不正受給した容疑で6月19日、籠池氏の自宅や学園事務所などを家宅捜索した。また、籠池氏の長女である学園の現理事長、幼稚園職員らのほか、設立を目指した小学校の施工・設計会社にも任意で事情を聴取しており、補助金申請の経緯について本人らに直接確認する時機を探ってきた。
こうした中、今月3日に府議会が参考人招致を決め籠池氏が出席の意向を表明。特捜部は府民の知る権利にも配慮し、聴取の時期を検討したとみられる。
籠池氏は、幼稚園の教員数などに応じた府の補助金約6180万円と、小学校建設費に対する国の補助金5644万円を不正に受給した詐欺と補助金適正化法違反の疑いで告訴、告発されていた。学園をめぐる疑惑の発端で、財務省が小学校用地として国有地を売却した際に8億1900万円を値引きした問題についても、特捜部は背任容疑の告発を受けており、捜査を進めている。(畑宗太郎、一色涼)