女子100メートルで優勝した福島千里=白井伸洋撮影
陸上の南部忠平記念は9日、8月のロンドン世界選手権の代表選考会を兼ねて、札幌市の厚別公園競技場で男女13種目の決勝があり、女子やり投げの海老原有希(スズキ浜松AC)が、61メートル95の大会新記録で5大会ぶり3度目の優勝。世界選手権の参加標準記録61メートル40を突破し、出場を確実にした。7月24日の日本陸連の理事会で承認される見通し。
男子400メートル障害では石田裕介(早大)が、世界選手権の参加標準記録49秒35で初優勝。日本選手権で3位以内(2位)に入ったため、世界選手権出場が確実になった。
ともにリオデジャネイロ五輪だった男子やり投げの新井涼平(スズキ浜松AC)、女子100メートルの福島千里(札幌陸協)は優勝を飾るも、参加標準記録を突破できず。福島は自身5大会連続の世界選手権出場を逃した。
■福島、再起を誓う
女子100メートルを制した福島は、複雑な表情を浮かべた。中盤からの加速がよく、2位に0秒36差の11秒36で圧勝した。しかし、参加標準記録には0秒10届かず、今季の最低限の目標に掲げていた5大会連続の世界選手権出場を逃した。
プロに転向した今季、足のけいれんに悩まされ、思うような走りができていない。6月下旬の日本選手権も8連覇がかかった100メートルは2位、7連覇を狙った200メートルは5位に沈んだ。今回も、足への不安は完全には消えておらず「どれぐらい走れるか想像がつかない」状態だったという。
ただ、この日のタイムは今季自己最高だった。「これから速くなるための選択肢がたくさんある。残念だけど時間があるので、今後に向けて無駄にならないようにしたい」と再起を誓っていた。