七回途中から救援した洛星の内藤
(12日、高校野球京都大会 鳥羽8―1洛星)
21世紀枠補欠の洛星敗退「これからは勉強頑張ります」
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「せめて九回までは、やりたかった」。八回、コールド負けが決まる犠飛を打たれた洛星(京都)の内藤貴之は言った。1―8。主将の吉田大樹は、「打線は苦手の速球を打てなかった。自分たちの野球ができなかった」と振り返った。
内藤は2番手投手。吉田は試合に出られなかった。悔しさは残る。でも、2人の3年生は、泣かなかった。次の目標があるからだ。
吉田の進路希望の一つは、京大医学部。高校に進学してまもなく左足に重度のねんざを患い、サポート役に徹してきた。「けがの多かった僕なら患者さんの気持ちが分かる医師になれる」。内藤は東大理学部をめざしている。理由は「先輩たちもいる野球部に入って活躍したい」からだ。
卒業生の4割以上が東大か京大に合格している進学校で、平日の練習時間は2時間もない。部員の確保も簡単ではない。昨秋は10人で戦い、この夏は1年生4人を含む17人。そんな洛星の野球部で、学んだことはたくさんある。
内藤は、片道1時間かかる電車通学を全て勉強にあててきた。少人数だから練習では複数ポジションを守り、「周りの気持ちが分かって、気配りができるようになった」。限られた環境のなかで、成長できる方法を探し続けた。
吉田は高校野球を経て、気づいた。「野球も勉強も根底は同じ。努力に波を作らないこと。結果が出なくて腐っていても、時間がもったいない」。次のステージでも生かすつもりだ。(小俣勇貴)