米陸軍省は4日、ノースダコタ州などで建設が進められている「ダコタ・アクセス・パイプライン」をめぐり、同州でミズーリ川のダム湖の下を通る工事を認めない、と発表した。環境保護などを訴えるネイティブ・アメリカン(先住民)らの主張に配慮した形だ。
建設に反対していたのは、予定地の近くに居留地を持つスタンディング・ロック・スー族。「水資源を脅かされる」などと主張し、全米から賛同者が集まって抗議を続けていた。
工事予定地は米陸軍工兵司令部が所管しており、着工には陸軍省の許可が必要。陸軍省はスー族や、パイプラインの建設会社と協議を進めてきた結果、「異なるルートを検討することが最も適切」との結論に達したという。
ダコタ・アクセス・パイプラインは、シェールオイルの採掘が進むノースダコタ州から、イリノイ州までの約1886キロをつなぎ、完成すれば1日平均47万バレルの石油を運ぶ予定。既に工事の大半が終了している。(ニューヨーク=中井大助)