米軍横田基地(東京都)に約4年前、飛翔(ひしょう)弾が撃ち込まれた事件で、警視庁は14日、過激派・革命的労働者協会(革労協)反主流派の活動家、沼田豊綱容疑者(65)を爆発物取締罰則違反(製造、使用)の疑いで逮捕し、発表した。同庁は1999年以降、反主流派によるゲリラ事件は25件あったとみているが、立件は初めて。
公安部によると、沼田容疑者は東京都豊島区のアパートで時限装置を製造。2013年11月28日夜、横田基地周辺の緑地で飛翔弾2発を発射し、うち1発を約600メートル離れた基地周辺で爆発させた疑いがある。けが人や建物への被害はなかった。公安部は昨年2月、豊島区のアパートを捜索し、時限装置の基板の設計図を押収。基地周辺で見つかった基板と同一と判明した。事件に関わるメモ類から沼田容疑者の指紋も検出されたという。
沼田容疑者は反主流派非公然組織のメンバーで、爆弾製造部門の幹部とみられる。反主流派は在日米軍の活動や自衛隊の海外派遣に反対しており、公安部によると、米軍基地に飛翔弾を発射するなどゲリラ事件を起こしてきた疑いが持たれているという。