北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(拉致当時13)の両親横田滋さん(84)と早紀江さん(81)夫妻=川崎市=が拉致被害者救出を訴え、全国を行脚した姿をまとめた約2分間の映像作品が完成した。撮影したのは、横田さん夫妻を2005年から10年以上追うカメラマンの田辺信道さん(64)。今年1月に新宿高島屋で開かれためぐみさんらの家族写真展で上映された映像を再編集した。
中学1年生だっためぐみさんが1977年11月、新潟市内で下校中に拉致されて今年で40年になる。めぐみさん拉致疑惑が97年2月に報道と国会質問で表面化し、同年3月に拉致被害者家族会が結成されて20年の節目にもあたる。
映像では、めぐみさん失踪当時の状況について05年に滋さんが語る場面や、06年にシーファー米大使(当時)を案内して新潟市の拉致現場付近を訪れた様子が映っている。早紀江さんが、北朝鮮で撮影されためぐみさんの写真を受け取ったときの感想を語る場面もある。
滋さんは最近は高齢のため、体調を崩し、言葉を発したり歩いたりする際に困難が伴うことから、記者会見や集会などの欠席が増えた。家族や知人らは「元気なうちにめぐみさんに会わせてあげたい」と願っている。(編集委員・北野隆一)