「あさがおの会」の総会で、思いを語る横田早紀江さん(中央)=11日午後、川崎市、角野貴之撮影
40年前に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの両親を支援する「あさがおの会」が11日、川崎市で総会を開いた。めぐみさんの母早紀江さん(81)は日朝両国のトップ同士が直接会って交渉するよう訴えた。
早紀江さんは、数年前に拉致被害者家族会が安倍晋三首相と面会した際、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と直接会って交渉するよう申し入れたと語った。「目を見て、しっかりと怒り、しっかりと相対で話していただかないと解決しないと思いますよ」と伝えたところ、首相は「もちろんそう思っておりますが、それは今ではありません。いつになるかわからないけれども、必ずそういう日は来ると思います」と答えたという。
早紀江さんは「期待して待っているが、何年たっても実現されない。いらだちは大きく、いつもつらい思いをしています」と話し、「拉致被害者がどこにいるのかについて、政府に情報がないのか、情報があっても言えないのかもわからない。でも、何もわからないまま死んでいくわけにはいきません」と述べた。
父滋さん(84)は体調が思わしくなく、欠席した。
「あさがおの会」は、両親と同じマンションに住む近隣住民らが参加し、めぐみさんの家族写真展やチャリティーコンサートを各地で催している。総会では今後の活動について、拉致問題解決を求める世論を高め、政府に解決を訴えることを申し合わせた。(編集委員・北野隆一)