米軍横田基地への移動を前に横浜港ノースドックに駐機した米空軍のCV22オスプレイ。米軍兵士が歩きながら滑走路を点検する作業が見られた=2018年4月5日午前9時25分、横浜市神奈川区、朝日新聞社ヘリから、仙波理撮影
横田基地(東京都)に今夏配備されることになった米空軍の輸送機オスプレイ。5機が陸揚げされた横浜ノースドック(横浜市)の正面ゲート前では5日朝、市民団体などが抗議活動をした。
抗議活動には、米軍基地の撤去・返還などを求める「神奈川県平和委員会」などのメンバー約50人が参加。米軍関係者が見守る中、「オスプレイは帰れ」「平和な空を守れ」などと、シュプレヒコールを上げた。オスプレイの機影にバツ印をつけた紙を掲げる人もいた。
県平和委員会の柴田豊勝事務局長(71)は「神奈川には米軍基地が多い上、横須賀に原子力空母が配備されている。近年は軍備の強化が進む」と指摘。「今後も横浜経由でオスプレイが日本に入るかもしれない。悪い前例を作った」と憤った。
相模原市の団体職員坂田綾子さん(45)は「沖縄で墜落事故が相次いだり、飛ばないと約束した場所を飛んだりと、米軍は信用できない。首都圏のような住宅密集地で墜落したらと思うと不安で仕方ない」と話した。
午前11時過ぎ、オスプレイは次々に飛び立った。横浜市鶴見区の添田修さん(64)は「オスプレイが首都圏のど真ん中を飛ぶなんて前代未聞」と、記録に残そうと一眼レフカメラを手に見に来た。「こんなところを飛ぶなんて許せない。横田基地の近くには孫も住んでいて、事故にならないか不安だ」
近くの公園を散歩をしていた川崎市高津区の50代の会社員男性は、「たまたま飛び立つところを見て、オスプレイとわかって驚いた。事故への懸念はあるが、一市民にはどうにもできないので、見守るしかない」と話した。
オスプレイが飛び立ったというニュースを聞き、抗議活動をしていた柴田さんは「去年、嘉手納で次々と飛び立ったのを見た。本土で同じような光景を見ることになるとは」と話した。
一方、横田基地周辺では5日朝から、オスプレイが飛来するかもしれないとカメラを持った人たちが集まった。そばの公園に散歩で立ち寄った男性(70)は「基地がある以上、配備は避けられない。事故がないように最大限努力してもらいたい」と語った。オスプレイ到着後には、この公園に市民グループのメンバーらが集まり、配備反対を訴えた。(吉野慶祐、大賀有紀子)