筑後川の鵜飼い用の鵜。豪雨以来、出番がないままだ=24日、福岡県うきは市、一條優太撮影
九州北部豪雨の影響で、福岡県朝倉市の原鶴温泉近くの「鵜飼(うか)い」が中止になり、再開の見通しが立っていない。船着き場が砂で埋まったうえ、筑後川の濁りが引かず、川底の土砂の堆積(たいせき)状況が分からないためだ。かき入れ時の夏休みを迎えるなか、鵜匠(うしょう)や旅館関係者は一日も早い復活を願う。
筑後川の鵜飼いの事務局を務める原鶴温泉旅館協同組合によると、鵜飼いのシーズンは例年、アユ漁が解禁される5月から9月末まで。昨年は約3千人が屋形船に乗り、漁の様子を楽しんだ。
豪雨の後、船着き場付近の川は砂で埋まり、船を出せなくなった。鵜飼いのルート上の川底にも土砂がたまり、アユが捕れるポイントや船を動かせるルートが変わった可能性がある。
同組合と鵜匠たちはルートの一部を利用して再開を検討している。だが、豪雨から3週間が経っても筑後川の濁りが引かず、川底の状態が分からない。子どもが夏休みに入る7~8月は本来、鵜飼いも「稼ぎ時」に当たるが、同組合事務局長の庄崎茂さん(48)は「再開の見通しは立っていない」と肩を落とした。
うきは市の鵜匠、臼井信郎さん…